2015年10月3日 HCD-Net サービスデザイン実践編 第二回構造化シナリオ 振り返り

今回も浅野先生のご好意で振り返りワークショップを自社で開催。
開放的でいい雰囲気の場所だと長く過ごしても疲れない気がするので、雰囲気のいいバースペース付近で開催。
ワークショップ自体より先生の話を伺う時間が結構長かったが、多くの疑問に答えていただけたので貴重だった。

今日は今日で、ある程度の細かい疑問は解けつつ、UXとビジネスの関係性についての自分の中の初期段階の理解が生まれた。もちろんあくまで初期段階だけど、最初の一歩。
結局私は、シナリオを書く事自体より、どういう思考状態で書くかが気になっていたのだった。
大きく二つある。

------------------------------------------------------------------------------------

ひとつ目、ビジネス視点とUX視点の共存の仕方。

私は人間関係学科をでていて、人に興味がある。
だからHCDプロセス自体非常に楽しいからやっているのだけれど、自社の事業でビジネスとして、できるだけ継続して成功するものを作りたいので習得したいと思っている。
HCDの講座を受けていていつも「これ部長や上司と一緒にやったらどうなるかな?」(仕事の中では非常に忙しい上司達を長時間拘束するのがなかなか難しく、リサーチや分析は私と若手がまとめて共有する)と思っていたのだけど、偶然自社で開催する運びとなり、部長の参加がかなった。そして、事前にうっすら想定していたことが起き、それをまとめるとこんな感じだった。

▼社内メンバーでWSをやるメリット
・一緒に考えるいい機会となり、共有体験がうまれ、今後も同じ目線を持てる
・共通認識があるので、そのWSのゴールが明確
・ユーザー像も売れる理由なども知っている

▼社内メンバーでWSをやるデメリット
・ビジネス側面から分析が始まり、アイデアや視点が凝り固まってしまう
・勝ちパターンがこびりついていてリフレーミングが難しい
・ついつい自社既存のサービスや今の資産(ユーザー、売れ方)からの発想に偏る

これ、メリットのひとつ目以外、デメリットはメリットの裏返しじゃないですか。
もしも今行き詰まっているんだとしたら、それではダメなのかも。。。
今自社でやっていない事を見いだしてから、やれるように進めるのがよいかと思うのです。

ビジネスについてはちょっとかじった程度の知識だけど、いわゆる王道にビジネスを考えるときは外部環境、内部環境、それの掛け合わせで今自社が何を提供できるか、どこに市場があるかを洗い出してゆく。
その考え方はビジネス側面として必要であるけれど、やはりシナリオを書くときなどはそれでやってしまうと完全に競合だらけだ。テクノロジーや資本がある所が参加してきたら速攻負ける。
私がそっちも甘いからであるけど、今のところちょっとした差別化程度の、数年で息切れしてしまうようなものしか今は考えられていなかった。作ろうとして検索したらだいたい既にあるしw

ゴールは同じ、プロセス・体験を変える。

ビジネス視点のフレームワークを使うと、セグメントを変えるなどで『ない所を掘り起こす』ことはできるけど、それはそれで使える。ただざっくりとしたPESTで洗い出しきれない、定性的な心理・ニーズを発見しないと。

------------------------------------------------------------------------------------

二つ目、ワークショップを行う際の認識が分かった。

実は自分の中の問題でワークショップがうまく行かなかった。
理由は二つあり、「ワークショップの進行の問題」と「今は何をやっているかを考えてしまい没頭できない」というものがあった。

今回上司と一緒にやりやすく時間をかけてやることで、前者のワークショップの進行という問題は、発言のタイミングや認識統一にエネルギーを注がなくてよかったのでクリアし、そのことと浅野先生の話で、「今は何をやっているか」が少し引いてみれた。

まず、よいシナリオを書くためにはものすごく引いた目でリフレーミングして、また瞬間、ユーザーと同じ視点で見る必要がある。
引いた目をつくるには客観とかリスト化というか、、、体験を概念にしないといけない。
実際の体験でも知識でも、自分の中にないものはアイデアとして出てきづらいと思うので仕事ばっかり、アプリばっかり見てもいかん訳で、人をみないと。
シナリオのビジネスチャンスの取り込み方に関しては、いろいろあると思うけど、ちんまりとした成功よりも拡張性のある結果を出すものがより良い。

シナリオの書き方をちょっとだけ理解した流れは、
(1)基本はユーザー視点の体験をたくさん蓄積したデータベースを作っておき 
(2)どういうリフレーミングがあるかを知っておき 
(3)ビジネス視点でジャッジして引き出してくる
ということかなと。
そしてこれ、よく考えるとワークショップでやっていることの流れでした。
多分(2)がどれだけいいものを出せるのがキーだという気がした。

ひとつの価値をどうやって提供するかあらゆる方法を考える。
ペルソナの趣味・指向も結構大事な気もする。

------------------------------------------------------------------------------------
あとシナリオを書く事自体は、本講座の方がじっくりインタビューしてインタビュイーの側で追加質問しながら書いているため、さらっと書けた気がしたので、やはりユーザーを理解することが一番大事な気がした。

ああ、インタビューからやりなおしたい!

 

------------------------------------------------------------------------------------


まとめはこんな感じで以降は箇条書きメモ

・ユーザーはお金を使おうとして行動している訳ではない。やりたいことがあってそれにお金を払う。

・シナリオは色んなものがあるが、大勢の人をひとつにまとめるとき、「みんなの重なる部分」を書く。
 誰が読んでも「いるいる!あるある!」的に理解できるストーリー。
・バリューシナリオはビジネスを理解していないと書けない。
・「拡張性がある」シナリオがベスト。どこかのお店を紹介する、などみみっちい話ではなく、「地域全体を活性化させる」などで交通・宿泊・飲食など多くの産業が繁盛するようなもの。
・たとえば「混雑を緩和する」と書いてあるが、ひとつの場所を紹介して人気がでると、そこは同国人がいっぱいということになる。それでは同国人に会う事を望んでいない旅人は満足できない。「祭りに参加する」など、いても同国人に気づかないという方法でもいい。
・インタラクションシナリオの内容でユーザビリティテストの項目ができる
・会社でやるときはインタラクションシナリオを先に書くのがいい。
 UXフローが先でもいい。
・「リフレーミング」気付きとは比較する事で分かる。今までと違った体験をすることで視点が変わる。
・他のチームの意見を見る事は大事!

 

さあ、次も頑張ろう。